全4回シリーズ 第3回
「自分で考えて動く」を引き出す
〜 過去を責めない、未来への問いかけ 〜
本日もブログを見て頂きありがとうございます。
メディカルコミュニケーションラボの杉原です。
ルール通りの仕事は、きっちりこなせるようになった。
でも、そこからもう一歩…「自分で考えて、提案してほしい!!」。
今日は、そんな次のステージにいるスタッフへの関わり方、つまり主体性の育て方についてお話しします。
主体性とは、「自分のハンドルを握る」こと
主体性とは、自ら目的(ゴール)を設定して動くこと。
言い換えれば、自分の仕事や人生の“ハンドル”を自分で握り、行き先を自分で決めることなんですね。
実はこれ、以前のブログで書いた「目標設定」の話と、根っこはまったく同じなんです。
ここで一つ、脳のおもしろい仕組みを紹介させてください。
脳のフィルター機能「網様体賦活系(RAS)」
人間の脳には、無数の情報の中から“自分にとって必要なもの”だけを拾い上げ、優先的に意識へあげてくれるフィルター機能があります。
車を買おうと決めた途端、街で同じ車ばかり目につくようになる…。あれがRASの働きです!!
このフィルター、Google検索とそっくりなんです。
明確なキーワード(目標)を入力して初めて、脳は関連情報を探し始める。
つまり、自分で「ここに行く!!」と目的地を決めてハンドルを握るからこそ、脳が勝手に必要なルートや情報を拾い集めてくれるわけです。
逆に目的地が空欄のままだと、脳は何も検索してくれません。
指示待ちの状態って、いわば“検索窓が空っぽ”の状態なんですね。
だからこそリーダーの仕事は、答えを渡すことじゃない。
本人に「検索窓を自分で埋めてもらう」よう促すことなんです。
「Why」を捨てて、「What」と「How」を問う
※誤解しないでください。「なぜこの仕事をやるのか?」という“意味”を考えるWhyは、とても大切です。ここで封印してほしいのは、あくまで部下の失敗を問い詰める“過去に向かうWhy”だけ、という話です。
熱心なリーダーほど、ついやってしまいがちなこと。
それが「なんで自分で考えて動かないの?」という、過去の原因を追及する“Why”の質問です。
悪気はないんです。本当に。
でもこれを言われた瞬間、相手の脳内では「言い訳」と「失敗の記憶」の検索が始まってしまう…。
RASが後ろ向きに作動して、心のブレーキがガチガチにかかってしまうんです。
✕ 過去に向かう問い(Why)
「なんで自分で考えて動かないの?」
→ 言い訳と失敗の記憶を検索させ、ブレーキがかかる…
◎ 未来に向かう問い(What / How)
「本当はどんな形になったら、お客さんが一番喜ぶと思う?」(What)
「それを実現するなら、まず何から始められそう?」(How)
→ 目的地とルートを、本人の脳に検索させる!!
リーダーがやるべきことは、口出しをぐっと我慢して、カメラのアングルを「過去」から「未来」へ切り替えてあげること。
それだけです。
「Why」を一旦封印して、こんな風に声をかけてみてください。
「このプロジェクト、本当はどんな形になったら、お客さんが一番喜ぶ最高のものになると思う?」
「いいね、そのアイデア!! それを実現するために、まず何から始められそうかな? 僕にサポートできることがあれば、何でも言ってね」
前半の「What」で目的地を決めてもらい、後半の「How」で最初の一歩を具体化してもらう。
この順番で声をかけると、相手のRASは自然と動き出します。
答えを教えるんじゃなく、本人の中から答えを引き出す。これが主体性を育てる問いの形です。
リーダーは助手席で、「君ならできる」と言い続ける
目的地を決めたら、ハンドルは本人に握らせる。
リーダーは助手席に座って、「大丈夫、君ならできるよ」と背中を押し続ける役です。
運転を代わっちゃダメですよ!!
それをやった瞬間、相手はまた“乗せてもらう人”に戻ってしまいますから…。
たとえ少し不格好な提案でも、
「それ、面白いね!! やってみようか」と受け止める。
この“大人の余裕”こそが、スタッフの主体性を育てる、最高の肥料になります。
最初の提案は、たいてい荒削りです。
でもそこで正論をぶつけて潰してしまえば、二度と提案は出てきません…。
まずは「出してくれたこと」そのものを歓迎する。精度を上げるのは、その次のステップで一緒にやればいいんです。
明日から、ほんの少しだけ。喉まで出かかった「Why」を、ぐっと飲み込んでみませんか?
その一呼吸が、相手の運転席への第一歩になりますよ。
さて、次回はいよいよ最終回!!
少し視点を変えて、「あなた自身のキャリア」について考えてみたいと思います。
スタッフのハンドルの話をしてきましたが…あなた自身は今、心地よくハンドルを握れていますか?
ではまた次回をお楽しみに!!
メディカルコミュニケーションラボ
作業療法士・全米NLP協会マスタープラクティショナー
杉原

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