全4回シリーズ 第1回
「うちのスタッフ、指示待ちなんです」と悩むあなたへ
〜 自主性と主体性の境界線 〜
本日もブログを見て頂きありがとうございます。
メディカルコミュニケーションラボの杉原です。
20代の頃は、とにかく自分の技術を磨くことに無我夢中でした。
目の前の患者さんと向き合って、引き出しを一つでも増やすことに必死…。
それが30代に入って、初めて「チームをまとめる」という役割を任されるようになりました。
するとどうでしょう。今までとは全く毛色の違う壁にぶつかったんです。
最近、まさにその壁の前で立ち止まっているリーダーの方から、こんな相談をよく受けます。
「後輩たちが、言われたことはやるんですけど…それ以上は動いてくれないんです」
「もっと自分で考えて、主体的に動いてほしいんですよね…」
わかります…めちゃめちゃわかります。
一生懸命チームを引っ張ろうとしているからこそ、周りとの温度差に焦るし、もどかしくもなりますよね。
でもね、その「なんとかしたい!!」ともがいている姿勢。
本当に素晴らしいことだと思います。まずはそこに向き合っているご自身を、少しだけ認めてあげてくださいね。
その上で、ちょっとだけ立ち止まって、一緒に考えてみたいことがあります。
あなたが今スタッフに求めているのは、
「自主性」ですか? それとも「主体性」ですか?
実はこの2つ、似ているようで全くの別物なんです。
ここをごちゃ混ぜにしたまま指導をすると、指導のピントがズレて、お互いに苦しくなってしまいます…。
という事で今日はまず、この2つの違いをスッキリ整理していきましょう!!
自主性 = 決まっていることを「言われる前に」やる力
自主性とは、
「やるべきこと(ゴールやルール)がすでに明確な状況で、人に言われる前に自ら動くこと」
です。ポイントは「ゴールは決まっている」というところ。
料理でたとえてみましょう。
今日の献立が「カレー」って決まっているとき、誰に言われるでもなく冷蔵庫から野菜を出して、皮をむいて、お米を研いでおく。
これが自主性です。
現場でいえば、決められた手順どおりにミスなく仕事を仕上げる、記録を期限までに自分から整えておく…といった力ですね。
地味に見えるかもしれません。
でもね、組織を安全に、スムーズに回していくためには、これほど尊い能力はないんです。土台がグラグラの現場では、そもそも新しい挑戦なんて生まれませんから。
主体性 = 「何をするか」自体を自ら決める力
一方の主体性とは、
「やるべきことが曖昧、あるいは正解がない状況で、自ら状況を判断し、目的(ゴール)そのものを決めて動くこと」
です。こっちは「ゴールを決めるところ」から本人に委ねられています。
同じ料理の例でいくと…。
冷蔵庫を開けて「今日は肌寒いし、残り野菜も多いな。よし、みんなが温まるように具だくさんの豚汁にしよう!!」と、献立そのものを自分で決めて作り始める。
これが主体性です。
現場でいえば、「最近この患者さん、リハビリへの反応が少し鈍いな…。今日は予定していたメニューを一旦ストップして、まずはご本人が何に不安を感じているのか、じっくり話を聴く時間にしよう」と、その場の状況から自分で考えて舵を切る力です。
マニュアルには載っていない一手を、自分で選び取る力とも言えますね。
自主性
ゴールは決まっている。
それに向かって言われる前に動く。
例)カレーと決まったら黙って野菜を切る
主体性
ゴールが決まっていない。
何をするか自体を自分で決める。
例)状況を見て「今日は豚汁だ!!」と決める
どっちが良い・悪いではない。カメラのアングルを変えよう
ここで一番お伝えしたいこと。
それは「どちらが優れているわけでも、上か下かという話でもない」ということです。
ルールを守って正確に業務を回すことが、会社の信頼や安全に直結する場面では、圧倒的な「自主性」が求められます。
そんなときに勝手にメニューを変える「主体性」を発揮されたら…大変です。
お腹はすっかりカレーの気分なのに、目の前に豚汁が出てきて大パニック(笑)。
逆に、正解のない状況で「指示がないので動けません」と固まられても、それはそれで困っちゃいますよね。
要は、場面によって求められる力が違うだけなんです。
「うちのスタッフは動かない」と悩む前に、まずアングルを少し変えてみてください。
「今、目の前のこの子は、どっちの段階で立ち止まっているんだろう?」
相手を「動かない人」ってラベルで括ってしまうと、そこで思考が止まってしまいます。
でも「今はまだ自主性の途中なのかも」「そろそろ主体性を試せる段階かも」と見立てられれば、こちらの関わり方に選択肢が生まれる。
この見立てこそが、マネジメントの出発点だと僕は思っています。
次回は、多くのリーダーが最初にぶつかる「指示待ち(=自主性がまだ発揮できていない)スタッフ」が、驚くほど自分から動き出すマネジメントのコツをお伝えします。
キーワードは「安心感」と「明確なレシピ」!!
ではまた次回をお楽しみに!!
メディカルコミュニケーションラボ
作業療法士・全米NLP協会マスタープラクティショナー
杉原


コメント