こんにちは、杉原です。
OT(作業療法士)として17年。そして部門長として組織に関わる中で、痛感していることがあります。
それは、「どれだけ優れた技術(スキル)を持っていても、その人の『心のありよう』が整っていなければ、良い結果は生まれない」ということです。
私が常々お伝えしている「自己コミュニケーション(自分自身への問いかけ)」の重要性。
これが、京セラやKDDIを創業し「経営の神様」と呼ばれた稲盛和夫さんの著書『考え方』の中で、あまりにも明確な方程式として記されています。
私が仕事だけでなく、自分自身の人生の羅針盤の一冊となっているこの『考え方』を今回はご紹介したいと思います。
これだけ偉大な経営者がおっしゃていることです。私が言うのとは訳が違いますので、ぜひ安心して今回シェアする内容を実践頂けたらと思います!
今日は、この本から得た気づきを、私たちセラピストや、人生をより良くしたいと願う皆さんへのメッセージとしてシェアします。
1. 人生の方程式:なぜ「考え方」が最重要なのか?
稲盛さんは、人生や仕事の結果を以下の方程式で表しています。
人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力
ここで注目すべきは、これが「足し算」ではなく「掛け算」であるということです。
- 能力(才能・知能): 0点 〜 100点
- 熱意(努力): 0点 〜 100点
- 考え方(人間性・哲学): マイナス100点 〜 プラス100点
この意味の重さに、背筋が伸びる思いがしました。
例えば、どれほどリハビリの手技が優れていて(能力が高い)、どれだけ残業して勉強していても(熱意がある)、その根底にある考え方が「患者さんのためではなく、自分の手柄のため」「どうせ良くならないだろう」といったマイナスであった場合、掛け算の結果は「大きなマイナス」になってしまうのです。
Nobuchon’s
Perspective
(NLP的視点)
ステート(心の状態)と自己対話
これはNLPで言う「ステート」そのものです。「環境が悪い」と他責にする(マイナスの考え方)人は、どんなに努力しても摩擦を起こします。
逆に、「すべては自分に原因がある(Cause in Me)」と考え、「この状況から何を学べるか?」と自分に問いかけられる人は、能力が発展途上でも、必ずプラスの結果を生み出します。
2. 「利他の心」とリハビリテーション
本書の中で稲盛さんは「利他の心」――自分を犠牲にしても相手を助けようとする心――の美しさを説いています。
私たちリハビリ職にとって、これは原点です。「リハビリテーション」の定義は、単なる機能回復ではありません。「再び自分らしさを取り戻すこと」です。
DO (あるべき姿)
「患者様が本当に望んでいる未来は何か?」に焦点を当て、その実現のために全力を尽くす。
DON’T (避けるべき姿)
自分の得意な治療法を押し付けたり、数字(単位数)のためだけに介入したりする。
私が部門長としてスタッフによく言う「セラピストが諦めたらそこで終わり」という言葉。これも、利他の心がなければ続きません。
「医学的に無理」と切り捨てるのは簡単です。でも、「もし自分自身や自分の家族だったらどうするか?」と考え抜く。その「考え方」の深さが、奇跡のような回復へのスモールステップを見つけ出す鍵になるのです。
3. 試練を「ギフト」と捉える(純粋感謝)
稲盛さんは、成功した時だけでなく、苦難の時こそ「ありがとう」と言うべきだと説きます。苦難は、心を磨くための絶好の機会だからです。
これは私の信念である「失敗=フィードバック」と完全にリンクします。
リハビリが進まない時、人間関係でトラブルが起きた時。「なんでこんな目に遭うんだ」と嘆くのではなく、「この出来事は、私に何を気づかせようとしているのか?」とリフレーミング(枠組みを変えて捉え直す)してみてください。
- 「うまくいかない方法が一つわかった。ありがとう。」
- 「自分の未熟さを教えてくれた。ありがとう。」
そう思えた瞬間、目の前の壁は「障害」から「成長への階段」に変わります。
4. 明日からできる「自己変革」のアクション
この本を読んで、私たちが明日から変えられることは何でしょうか?
それは、「自分自身へのセルフトーク(内なる言葉)」の点検です。
何か行動を起こす前、あるいは困難にぶつかった時、自分にこう問いかけてみてください。
- 「今の自分の『考え方』はプラスか? マイナスか?」
- 「この行動は、誰かのため(利他)になっているか?」
- 「この結果を他人のせいにしようとしていないか?」
能力を上げるには時間がかかります。しかし、「考え方」を変えるのは、今、この瞬間から可能です。
自分の内なる言葉を「肯定・感謝・未来志向」に変えていくこと。それが、人生という掛け算の答えを最大化する唯一の方法です。
私たち専門職も、患者様も、まずは「心」から。
正しい「考え方」という土台の上に、確かな技術と情熱を積み上げていきましょう。
Rehabilitation × Communication
杉原 伸基

コメント