相手の関心に関心を持つこと-相手と良好な関係を築くために大切なこと-

他者コミュニケーション

【対人支援の極意】「あなたに興味がある」だけでは不十分?信頼を築く “魔法のワンクッション” とは

こんにちは。
リハビリ×コミュニケーション、管理人の杉原伸基(のぶちょん)です。

今日は、私たちが現場でよく耳にする、ある「良い言葉」について、少し大人の視点から深掘りしてみたいと思います。

その言葉とは、
「相手に関心を持つ」
という言葉。

コミュニケーションの研修や教科書では、必ずと言っていいほど出てきますよね。
「利用者さんと信頼関係を築くには、まず相手に関心を持ちましょう」と。

もちろん、これはとても大切なことです。無関心よりはずっと素晴らしい。

けれど…正直に言いますね。
この言葉をそのまま真に受けて実践した結果、かえって相手との距離ができてしまった、なんて経験はありませんか?

「こんなにあなたのことを考えているのに、なんで伝わらないんだろう?」

もし、あなたが今そんなモヤモヤを感じているとしたら、今日の話はきっと役に立つはずです。
ほんの少しカメラのアングルを変えるだけで、景色はガラリと変わりますよ。

1. 「監視員」になっていませんか?

「相手に関心を持つ」。
この言葉の落とし穴は、「相手(その人自身)」を凝視してしまうことにあります。

少し想像してみてください。
あなたがカフェでくつろいでいる時、向かいの席の人から、

「その服はどこのブランド?」
「今日は何を食べたの?」
「なぜその本を読んでいるの?」

と、矢継ぎ早に質問され、じーっと見つめられたらどうでしょう?

…ちょっと、怖くないですか?(笑)
まるで警察の職務質問か、宿題をチェックするお母さんみたいですよね。

私たち支援職は、真面目であればあるほど、
「この人の問題点はどこだ?」「なぜこの動作ができないんだ?」と、
「相手を修正・改善するための対象」として見てしまいがちです。

これは「関心」という名の、ある種の「監視」になりかねません。

人は誰でも、自分の領域に土足で踏み込まれたり、コントロールされそうになると、無意識に心のシャッターを下ろします。
これでは、信頼関係どころか、「この人は私を変えようとしている」という警戒心を生んでしまうんですね。

2. 魔法の言葉「相手の関心に、関心を持つ」

では、どうすれば良いのか。
ここで、私が大切にしているNLP(実践心理学)の知恵を借りたいと思います。

それは、
「相手の関心事(かんしんごと)に、関心を持つ」
というアプローチです。

似ているようで、まったく違います。

△ 相手に関心を持つ

相手の「顔」を覗き込む
(対立・指導の構図)

「なんでやらないんですか?」「ここがダメですよ」と迫ってしまう。

◎ 相手の関心に関心を持つ

相手が見ている「景色」を一緒に見る
(横並び・共感の構図)

「あ、いい天気ですね。何が見えますか?」と隣に座る。

これが、「相手の世界観(地図)を尊重する」ということです。

「相手の好きなもの」「熱中していること」「今、気になっていること」。
その人との間に、このワンクッション(共通の話題や視点)を挟むだけで、関係性は「指導する人・される人」から、「人生という時間を共に過ごすパートナー」へと変わります。

ここがポイント!

  • ✖ 相手の顔色を見る(Search)
    → 「何か問題はないか?」という粗探しになりがち。自己満足の「お節介」に繋がりやすい。
  • 〇 相手の視線の先を見る(Share)
    → 「何を楽しんでいるのか?」「何を大切にしているのか?」を共有する。これが「他者満足(相手が主役)」のコミュニケーション。

3. 40歳手前、私の失敗と気づき

偉そうなことを言っていますが、私自身、若い頃は失敗の連続でした。
(今でもたまにやらかして、反省会をしています…笑)

「リハビリに意欲がない人」「自主トレをしてくれない人」に対して、
「せっかくメニューを考えたのに!」とイライラしてしまう。
これは完全に、私の「良かれと思って」という自己満足の押し付けでした。

でも、ある時ふと、相手が見ている世界に入り込んでみたんです。

「なぜ、この人はリハビリをしたくないんだろう?」ではなく、
「この人の目には、今のこの状況(病院や私)がどう映っているんだろう?」と。

もしかしたら、
「痛いことばかりさせる嫌な場所」に見えているかもしれない。
「もう歳だから放っておいてくれ」という諦めの景色が見えているかもしれない。

そうやって想像力を働かせ、
「リハビリ、面倒ですよねぇ。私でもサボりたくなりますよ」
と、相手の気持ち(関心)に寄り添った瞬間、
「…そうなんだよ、実はな…」
と、相手の表情がふっと緩む瞬間を何度も目撃してきました。

4. 明日から使える「小さな一歩」

難しく考える必要はありません。
明日、誰かと話すとき、心のカメラのアングルを少しだけ変えてみてください。

ACTION PLAN

  • STEP 1:相手と向かい合うのではなく、「心の隣」に座るイメージを持つ。
  • STEP 2:「この人は今、何を見ているんだろう? 何を感じているんだろう?」と問いかける。
  • STEP 3:その人が見ている景色について、「教えてもらうスタンス」で質問する。

「〇〇さんは、それがお好きなんですね」
「へぇ、そういう見方があるんですね!面白いなぁ」

まずは、相手が見ている世界を、一緒に楽しんでみてください。
その共感の積み重ねが、やがて「この人は私のことを分かってくれる」という深い信頼に変わっていきます。

リハビリテーションとは、その人が再び自分らしさを取り戻し、魂を輝かせるプロセス。
そのためには、まず私たちが、その人の魂が喜ぶこと(関心事)を知ることから始まります。

焦らなくて大丈夫。
まずは隣に座って、同じ景色を眺めることから始めてみませんか?

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

リハビリ×コミュニケーション

杉原 伸基(のぶちょん)

コメント

  1. Pasquale より:

    Keeep on working, great job!

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