【医療・介護職の方への処方箋】
「順調だね」と言われるのが辛いあなたへ。
人生のタイヤ、パンクしたまま走っていませんか?
こんにちは。
メディカルコミュニケーションラボの杉原伸基です。
私はOT(作業療法士)として17年間、現場の最前線に立ち続けながら、現在は心理学をベースに医療・介護職専門のライフコーチとして活動しています。
今日は、同じ業界で戦う「同志」であるあなたに、少しだけ「大人の本音」の話をしましょうか。
現場、大変ですよね。
ナースコールは鳴り止まないし、書類の山は減らないし、家に帰っても頭のどこかで利用者さんの顔がチラついている。
周りのスタッフや上司からはこう言われていませんか?
「〇〇さんがいると安心だわ」「仕事が早くて助かるよ」
そして、あなた自身もプロの顔でこう返す。
「いえいえ、当然のことですから」「まだ大丈夫です」と。
……でも、ふと夜勤明けや、休日に一人になった瞬間。
得体の知れない「重たさ」が胸をよぎることはありませんか?
バイタルは正常。熱もない。仕事も回せている。
それなのに、なぜか心がガス欠を起こしそうになっている感覚。
もし、少しでも思い当たる節があるなら。
それはあなたが弱いからではありません。
あなたが、「自分自身のバイタルサイン」を見落としているからです。
今日は、あなたの人生の「担当コーチ」として、その心のレントゲンを一緒に見ていきたいと思います。
1. 援助職こそ陥る「いびつなタイヤ」の恐怖
私たちは普段、アセスメントシートを使って患者様の状態を可視化しますよね。
でも、「あなた自身の人生のアセスメント」はいつしましたか?
ここで、一つ想像してみてください。
あなたの人生を支える8つの要素(仕事、お金、健康、家族、友人、学び、遊び、環境)。
これらを円グラフにして線で結んだとき、きれいな「丸」になりますか?
多くの優秀な医療・介護従事者は、「仕事・貢献」が飛び抜けて高く、「自己管理」や「娯楽」が驚くほど低い、極めていびつな形をしています。
リハビリの視点で言えば、これは「アライメント(骨配列)が崩れたまま動いている状態」です。
⚠ ここが重要です
この「いびつなタイヤ」で、人生という道を走り続けるとどうなるか。
ガタガタと猛烈な振動が起き、燃費(エネルギー)が最悪になります。
これが、「現場では動けるのに、家に帰ると玄関で動けなくなる」という現象の正体です。
あなたは前に進むエネルギーの大半を、「振動に耐えること(我慢)」に使ってしまっているのです。
2. その歪みは、あなたの「優しさ」の代償動作
ここからが、今日一番伝えたいことです。
どうか、チャートを見て凹んでいる部分(低い点数)を見ても、自分を責めないでください。
私たち専門職は、どうしても「代償動作(だいしょうどうさ)」で何とかしようとしてしまいます。
人が足りなければ自分が残業し、利用者の笑顔のために自分の休憩時間を削る。
その人生のグラフの「凹み」は、あなたの管理不足ではありません。
あなたが目の前の誰かを守るために、身を削って差し出した「愛の証」だからです。
- ✔ 患者さんのために、トイレに行くのも忘れて働いた。
- ✔ スタッフを守るために、上司からのプレッシャーを一人で飲み込んだ。
その凹みは、プロとしての「名誉の負傷」です。
だからまず、「よくやってきたねぇ」と、酷使したその心を労ってあげてください。
3. 脳からのアラート(ホメオスタシス)
しかし、いくらプロでも、人間としての生理機能には逆らえません。
脳の安全装置である「ホメオスタシス(恒常性)」が作動します。
「おい!これ以上献身的になったら、自分が壊れるぞ!
強制的にシャットダウンする!」
この叫び声が、「出勤前の動悸」「突然の涙」「あんなに好きだった仕事が辛い」という症状として現れます。
それは、あなたが不適合だからではありません。
「もう、自分を犠牲にするケアはやめて」という、あなた自身の命からのナースコールなのです。
4. 自分自身と「カンファレンス」を開こう
では、どうすればいいのでしょうか?
明日から仕事を放り出すわけにはいきませんよね。
必要なのは、自分自身との「ショート・カンファレンス」です。
低い点数の自分(置いてけぼりにした自分)に向かって、こう語りかけてみてください。
今は繁忙期だからあと2ヶ月だけ踏ん張りたい。
その代わり、2ヶ月後には必ず有給を取って温泉に行くから」
これを、私は自分自身との「契約(コミットメント)」と呼んでいます。
無視されると、無意識は暴れます。
でも、「話を聞いてもらえた」「ケアプランが立った」と分かれば、脳は安心してブレーキを外してくれるんです。
5. 明日からできる「最初」の一歩
さあ、顔を上げましょう。
最後に、OT、そしてライフコーチとしてあなたに処方箋を出します。
いきなり生活を変える必要はありません。
「明日、絶対に失敗しないくらい簡単なこと」は何ができますか?
Case 1: 自分のケア
ジムに行く気力がないなら、「帰りの車の中で好きな曲を1曲熱唱する」だけでいい。
Case 2: 家族との時間
会話する元気がないなら、「プリンを買って帰って、冷蔵庫に入れておく」だけでいい。
その小さな小さな一歩が、いびつなタイヤに空気を送り込みます。
振動がフッと消え、また明日から利用者さんに笑顔を向けられる余裕が戻ってくるはずです。
あなたは、もう十分に誰かを救っています。
次は、あなた自身を救ってあげる番です。
もし、一人で抱えきれないときは。
いつでもここに来てください。
私が、あなたの伴走者(ライフコーチ)として、ここで待っていますから。
あなたは一人じゃありませんよ。
たまには医療職・介護職としての重みを下ろして、深呼吸しましょうね。
メディカルコミュニケーションラボ
杉原 伸基(のぶちょん)
【追伸:Next Step】
このブログを読んで、「私の人生、このままでいいのかな……」と心が動いたあなたへ。
それは「もっと自分らしく生きたい」という魂の合図です。
一人で我慢せず、まずはあなたの現在地(ライフ・チャート)を私に見せてくれませんか?
現場の泥臭さを知る私と一緒に、絡まった糸をゆっくりと解いていきましょう。

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